地球近傍小惑星
「ベンヌ」表面の試料を採取した
米航空宇宙局(NASA)の無人探査機、
「オシリス・レックス」
が本日試料入りのカプセルを
地球に投下するそうです。
オシリス・レックスは2016年に
打ち上げられ、2020年にベンヌに着地。
石だらけの表面から約250グラムの
試料を採取したそうです。
因みに記憶に新しい
JAXAの「はやぶさ2」が回収した
小惑星「リュウグウ」の試料は
約5.4グラムだったそうですから
比較するとこの度のその多さが
良く分かりますね。
そんな「ベンヌ」のニュースを
目にした本日は「ベンツ」の話に
触れてみましょう。
いえいえ、僕は洋服屋ですから
クルマの話ではありません。
「ベンツ」は複数形ですから
正しくは「ベント」ですね。
「ベント」とはジャケットの
後ろ裾に入れらた「切り込み」のことで、
ご覧の様に中央に1本入れられた
切り込みを「センターベント」と
呼びます。
これは別名「馬乗り」と呼ばれ、
乗馬の際に裾が邪魔にならないように
考案されたと言われています。
続きまして両サイドに2本の
切り込みが入った「サイドベンツ」。
こちらの別名は「剣吊り」で、
軍人が帯剣しやすいようにと
考案されたと言われています。
2本になるので「ベント」の
複数形の「ベンツ」ですね。
このセンターベントとサイドベンツ、
フォーマル度に大差はありませんが
後者の方がやや高く感じさせます。
そして全く切り込みの無い
「ノーベント」。
昨今カジュアルなジャケットに
多く見られますので最も
フォーマル度が低い様に
感じさせますが、
実は最もフォーマル度が高いのが
このノーベントです。
その証拠に礼装である
タキシードやディレクターズスーツは
基本ノーベント。
センターベントもサイドベンツも
機能性を優先することで
生まれたディティールですが、
そういった機能性を重要視
していないものほどフォーマル度が
高いとされています。
特にセンターベントは
乗馬の際に機能的であるという
ディティールにして、
乗馬とは屋外で行うもの。
基本屋内で行われる
フォーマルシーンでは不要なものと
考えると分かりやすいと思います。